人間が、人生の中で学ぶことは、学校で教わることよりもはるかに広く、深い内容を含んでいます。ところが、これまで、教育の重要性については、多くの本が書かれ、専門家が研究し、「教育学」という学問分野として定着していますが、「学習」については、体系的な研究が行われてきませんでした。「教育」と「学習」は、重なり合っている部分もありますが、突き詰めて考えてみると、正反対の方向性を持った行為であり、考え方なのです。この小冊子では、教育と学習の根本的な違いを解き明かし、新しい「学習学」の考え方を説明させていただきます。
「学習」という言葉を聞いた時に、あなたの頭の中には、どんなイメージが浮かびますか?
黒板を背景に先生がこちらを向いて立っている、学校の教室を思い浮かべる人もいるでしょう。学習塾の風景や家庭教師の顔かもしれないし、試験の前日に、夜遅くまで机に向かって勉強している自分の姿が浮かんでくるかもしれません。国語・算数(数学)・理科・社会・英語の学習参考書の表紙、学習研究社や小学館が発行している雑誌のイメージかもしれません。
このあたりまでを、私は、「狭い意味での学習」と呼んでいます。つまり文部省の守備範囲である「学校教育制度の枠組みの中での教科学習」を「狭い意味での学習」と定義したいと思います。この小論では、「学習」という言葉を、さらに広い範囲を含めて考えることを提案しています。
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